『角野栄子のちいさなどうわたち 1』
図書館で児童書あさり。 なつかしいなぁと手にしたのは、「小さなおばけ アッチ・コッチ・ソッチ」シリーズでした。 小学校の図書室を思い出します。 この本には、それぞれのおばけのお話、3話が収録されています。おばけといっても、だれも怖がってくれないようなおばけたちです。 アッチは食いしん坊で、コッチはおしゃれで、ソッチは歌うのが大好き。 この本のことはずっと忘れていたのですが、大人になったいま再び読んでみると、ところどころで「こんな表現するなんて」と思わせられるような感動があります。 たとえば、食いしん坊アッチが、おいしそうなスパゲッティを作っている女の子をおどかそうとする場面が好きです。 家の中でらんぼうな音を響かせてやると、女の子は「おうちがあくびしてる」、アッチが階段をみしみし動かすと、「かいだんがしゃっくりしてる」と言い出すのです。おばけかぜをとばすと、「天井のねずみが口笛ふいてる」と笑い出してしまったり。 じつは最近、こんなふうになんでも擬人化してみることに興味があったので特にこのシーンが残りました。きっかけは今回の原発事故でしたが、しだいに自分の身の回りのものにまで発展してしまいました。「物」に命をあたえると、突然今までとは同じに見ることができなくなってしまい、その感覚が単純におもしろい。アミニズムや子どもの目線は、こういう感じなのかなと思うところがあったりもします。 話をもどして、この本には他にも好きなところがたくさんあります。 ソッチの「ぞびぞび~」のしゃべり方は、いまも耳についてはなれません。 佐々木洋子さんの挿絵も見飽きない魅力があります。 著者・角野栄子さんが『魔女の宅急便』の作者だったことは、あとから気づきました。
by iftuhsimsim
| 2011-04-10 20:21
| 児童書
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