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専門書のなかの遊戯

『Rich and Poor in English』
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シルビア・ビーチの本の中で、ガートルード・スタインがビーチの書店について一篇の詩を書いたことが記されています。詩そのものには何も触れていません。

その詩がどのような詩だったのか。
和訳を少なくとも私は見つけることができませんでした。それが幸運だったことは後で知ります。



エール大学出版の彼女の作品集第5巻"Painted Lace"の中のVoice Lessonsという項目の中に詩は収められていました。

Rich and Poor in English, To Subscribe in French and Other Latin Languages
(『英語による表現の豊かさと貧しさ ―フランス語や他のラテン系の言語にて署名するために』)
タイトルの次に (Sylvia Beach) とあります。

実は私はガートルード・スタインの著作を読んだことがありませんでした。
ぱらぱらとページをめくってみてまず驚いたのは、言葉がたわむれていたからです。
もし手にしていたのが和訳の本だったとしたら、この一瞬間の感動はなかったと思います。
遊び心に富んでいる、と思いました。「言葉」に対する強い追究を感じ、そして谷川俊太郎の詩がなんとなく思い浮かびました。

目当ての詩を見つけ一読してみてうまく読めなかったのは、
私の英語力の問題だけではなさそうです。
スタインは易しい言葉を使うのですが、遣い方がユニークなのです。

今後この作家に関する別の本をいくつか読んでみたいと思います。
それから再度この詩に挑戦です。
by iftuhsimsim | 2010-04-20 11:13 | 渡り鳥の読書
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