パシャリ

f0236873_015452.jpg東京都写真美術館へいってきました。

企画展『こどもの情景』は期間別に3部作の構成で、私が行ったのは、第2部『こどもを撮る技術』展です。
写真に写る子どもたちのポーズや背景などから、その時代のカメラ技術を解き明かしていくという内容でした。

19世紀に発明された「ダゲレオタイプ」という手法が、世界初の実用カメラにあたり、この時代の写真から展示は始まります。

「ダゲレオタイプ」は露光が数分必要です。だから子どもをいかに動かさないかが課題になります。この時代、小さな子どもが一人で写っている写真はほどんどなく、笑顔もありません。腕をくんだりして体を支えるポーズが多いのもそのためです。

やがて時代とともに露光時間が短くなり、写真は瞬間を切り取るものへと変化していきます。


でも、どれだけ技術が発達し撮影の幅が広がったといっても、やはり良い写真は「こういう写真を撮りたい」と構想があった上で撮られているのだと感じました。
むしろ可能性が広がった現代ほど、撮る前の構想が必要になっているとも思いました。


今回おもしろいと思った写真に、外国人が撮った日本(の子ども)というものがありました。
1枚奇妙だったのは、19世紀に撮られた「日本家屋の室内」というタイトルの写真で、家族団らんの様子が写っています。でもなんだか違和感を覚えるのです。忍者のような格好をした人物が写っていたり、家の中の様子も日本のものを寄せ集めているような。「自然」な場面なのだろうかとクビをひねって見てましたが、「自然」な場面だと言われれば、そうかとも思えるし、、、
いまだに謎な写真です。
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# by iftuhsimsim | 2011-08-15 00:10 | 美術館

追涼

f0236873_10165086.jpg葛西臨海水族園。
無料チケットをいただいたので、夏休みのさなか行ってきました。ちびっこたちの数が半端なかったです。

それでも魚が水の中を優雅にスイスイ泳いでいる姿は、見ているだけで心地よいものです。

それに、海の生き物って見慣れぬ姿をしている者たちが多く、興味が絶えません。1本の藁みたいな生物が水中でじっとしていて、そんなのが命をもって名前をもって生きているなんて。







f0236873_11165847.jpg海中の花畑。
鮮やか。
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# by iftuhsimsim | 2011-08-14 10:07 | 美術館

遠野へ

夏の日本の旅はせっかくなら観光の盛り返しをがんばっている東北へ、ということで週末をつかって岩手へ行ってきました。行きも帰りもガラ空きの新幹線の自由席にちょっとびっくりしました。

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遠野はずっと来たかった場所で、本当はこの町に泊まりたかったのですが、震災以降、復興支援の拠点地となっていたため、ボランティアの方たちの宿泊を優先させている部分があり、問い合わせた宿はことごとく満室で断られてしまいました。

ここは民俗学者・柳田國男の『遠野物語』の舞台で、河童や座敷童がいると言われる民話の町です。

天気予報をみてどれだけ暑いんだと危惧していましたが、午前中の雨のおかげで過ごしやすく、駅前でレンタル自転車を借りて、のんびり探索開始。


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花がどこまで行っても、道がひっそりし始めてもそれでも、きれいに手入れされて咲いている町。


若者たちが(中学生とか高校生とかもっと大人なひとたち)が行き交うたび、見知らぬ私に「こんにちは」と声をかけてくれるので、最初のうちは驚きと嬉しさでドキドキでしたが、そのうち慣れてくるとそんな挨拶も自然な事になってくるのでした。
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# by iftuhsimsim | 2011-08-01 02:04 |

人生という冗談

『わたしは英国王に給仕した』
f0236873_942921.jpgこの本は映画「英国王給仕人に乾杯!」の原作で、【映画の撮影に使われたレストラン】がプラハのガイドブックに必ずと言ってよいほど紹介されています。前回にひきつづき旅の準備としての読書。せっかくならば映画を観てからこのレストランでランチでも、と思ったのですが、映画のDVDが見つからなかったので、本を買ってみました。


これからする話を聞いてほしいんだ。

こうして200ページを超えるおしゃべりが始まります。

主人公で語り手の15歳の給仕見習いは「何も見ないし何も聞かないけれど、同時にありとあらゆるものを見なきゃいけないし聞かなきゃいけない」立場にあります。
この給仕人の資質、同時に良い語り手の資質でもあります。


不幸のあとには幸福がやってくるもので、仕事がクビになって次に働き始めたホテル・パリで、英国王に給仕したスクシーヴァネク給仕長と出会います。そしてひょんなことからホテル・パリで、主人公はエチオピア皇帝に給仕した給仕人になります。

あれ?

タイトルからてっきり主人公が「英国王に給仕した」のだと思い込んでいたものだから、不思議な感覚がずっと後をひきます。なぜタイトルが「英国王」なんだと。

主人公の奇天烈な人生はとどまることを知りません。
でもいつどんなときも、英国王に給仕した給仕長のもとで修行し、自分がエチオピア皇帝に給仕したことを誇りにしています。
「私はエチオピア皇帝に給仕したのだから」というセリフは何度も繰り返されます。本当に何度も繰りかえされるがゆえ、ますますタイトルの違和感が気になってしかたなくなります。


そして最後の最後に、この世界文学全集の監督編集者・池澤夏樹さんがタイトルのことをずばり書かれていました。
タイトルのずれ(ずれているのはタイトルだけではありませんが)によって、この小説をほら話の延長上に置くことができる。大事なのは、20世紀がひどい時代だったとしても、振り返ったときに「悪くない人生だった」と言えること。


f0236873_19223031.jpg波瀾万丈な人生の浮き沈みは、この小説のように、軽い口調で愉快に語るのが一番なのかもしれません。そうすることで語り手本人が救われることもあると思います。

→こちらが小説に登場した「ホテル・パリ」。プラハの町を歩いていたら偶然通りかかったので記念に一枚。窓越しに人が見える空間はカフェのように見えたけれど、レストランかな。

ちなみに「ホテル・パリ」は映画の撮影許可を出さなかったので、映画の舞台になったのは別の豪華なレストランです。
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# by iftuhsimsim | 2011-07-26 01:05 | 渡り鳥の読書

in チェスキークロムロフ

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プラハからバスで3時間。世界遺産の町です。

この町をながれる川も、やがてプラハへと至るヴルタヴァ川。
明るいオレンジ色の屋根はプラハと同じです。自然に囲まれた小さな小さな町で、町中を歩いても、小高い場所から町をながめても、どちらも素敵でした。


f0236873_012058.jpg屋根が、まるでえんぴつで描いたようないびつでやわらかい輪郭線をもっていて、そのまま絵本にでも出てきそう。


この日は昼食をすませてからプラハを13時に発ち、帰りはチェスキークロムロフを19時に出発。滞在は3時間ほどで、個人的にはちょうどいい時間の長さだった気がします。

ひと通り町を一周し、川をながめながら一休みしたりし、最後は中心地から少しはずれて、民家のある細道を散策してみると、安宿が並ぶ一角がありました。草木に覆われた前庭を抜けたところに小屋があって、周辺の民家にとけこんだような素朴な宿です。

とくべつこの町に泊まりたいという気持ちはなかったものの、このあたりの宿だったら泊まっていきたいなあと思ってしまうような空間でした。
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# by iftuhsimsim | 2011-07-25 10:26 | チェコ2011