レトロモダンな図書館

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岐阜県高山市にある図書館「煥章館」です。
明治時代同地に建っていた小学校を再現して、2004年に開館しました。

日中は緑青色が美しく、
夜になれば窓からもれる灯りがいい雰囲気を出しています。

館内も素敵で、書棚にも座席にもすべてに余裕があり、心地よい空間でした。





帰省の道中、より道をして高山市に1泊したのですが、この街の夜は早く、17時ごろから閉店が始まります。
そこで夜の2時間ほどをこの図書館で過ごしていました。


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思いがけず桜が咲いていた4月終わりの高山です。
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# by iftuhsimsim | 2010-04-30 23:57 |

見えているのに見ていないもの

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春の雨が降るなか、
友人と「上野の森美術館大賞展」を観にいってきました。
国内でも有数の公募展だそうです。
今回は友人の絵の先生が出展され、しかも受賞されていました。

coffee break
と題されたその絵は、窓ガラス越しに見たカフェ店内を描いた絵です。
「窓ガラス越し」なので、つまりは窓ガラスに映る外の景色や光も描かれているわけです。
現実によくある場面なのだけれど、それが絵として描かれると全く新鮮でした。
カフェ内の活気に、外を行き交う人たちが重なり、陽気なざわめきが聞こえてくるような作品。

ありふれた景色がそう見えなくなった時、私は大きく心動かされます。
だから芸術には様々な考え方・在り方がありますが、ほんの少し違った視点を教えてくれる作品はいいなあと思います。

ところで最近ガートルード・スタインの本を何冊か読んでいますが、彼女の作品は実に“絵画的”です。
文字で描くことによって一つの文学を生み出そうというのだから驚きます。
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# by iftuhsimsim | 2010-04-29 01:05 | 美術館

専門書のなかの遊戯

『Rich and Poor in English』
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シルビア・ビーチの本の中で、ガートルード・スタインがビーチの書店について一篇の詩を書いたことが記されています。詩そのものには何も触れていません。

その詩がどのような詩だったのか。
和訳を少なくとも私は見つけることができませんでした。それが幸運だったことは後で知ります。



エール大学出版の彼女の作品集第5巻"Painted Lace"の中のVoice Lessonsという項目の中に詩は収められていました。

Rich and Poor in English, To Subscribe in French and Other Latin Languages
(『英語による表現の豊かさと貧しさ ―フランス語や他のラテン系の言語にて署名するために』)
タイトルの次に (Sylvia Beach) とあります。

実は私はガートルード・スタインの著作を読んだことがありませんでした。
ぱらぱらとページをめくってみてまず驚いたのは、言葉がたわむれていたからです。
もし手にしていたのが和訳の本だったとしたら、この一瞬間の感動はなかったと思います。
遊び心に富んでいる、と思いました。「言葉」に対する強い追究を感じ、そして谷川俊太郎の詩がなんとなく思い浮かびました。

目当ての詩を見つけ一読してみてうまく読めなかったのは、
私の英語力の問題だけではなさそうです。
スタインは易しい言葉を使うのですが、遣い方がユニークなのです。

今後この作家に関する別の本をいくつか読んでみたいと思います。
それから再度この詩に挑戦です。
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# by iftuhsimsim | 2010-04-20 11:13 | 渡り鳥の読書

パリのアメリカ人

『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』
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少し前、近所の図書館に行くと、たまたま閉架書庫の開放日でした。そこで見つけた本です。

タイトル名のこの書店は、1919年11月19日、パリのセーヌ河左岸で英文学の書物を売る書店として開店し、1941年ナチ侵攻によってやむなく閉店するまで、多くの著名な芸術家たちが集いました。

店主は本書の著者シルヴィア・ビーチ、その人です。

フランスの現代文学に強い関心を持っていた彼女は、本場で研究に取り組もうと1917年パリの地を踏みます。
そして、小さな灰色の書店を営むアドリエンヌ・モニエとの運命的な出会い。
モニエやモニエの店の常連たちとの友情が、Shakespeare and Companyの誕生と、その後の大きな開花を助けてくれたのでした。
本書には文学史に名を残す数々の作家たちが登場します。
しかしこの本が他の文学史と違うのは、著者が一人ひとりの作家と現に出会い、友情に結ばれていたことでした。

書店で何かあればすぐに駆けつけてくれるのがアンドレ・ジイドであり、ガートルード・スタインとアリス・B・トクラスが時どき冗談を言いに立ち寄る。エズラ・パウンドやヴァレリー・ラルボー、ヘミングウェイやフィッツジェラルドらが通いました。
そしてジェイムス・ジョイスも。

シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店の最大の功績は『ユリシーズ』を発行したことだと言われます。
厳しい検閲や発行禁止処分がなされていた時代に、アメリカとイギリスで既に発行禁止処分を受けていた作品『ユリシーズ』を本にするというとんでもないアイデアとその経緯は、本書でも多くのページが割かれていて、読み応えがあります。

ジョイスが何度も校正を繰り返すためにビーチは破産しそうだったこと。
1922年2月2日、ジョイスの誕生日に刊行された初版本の部数がたった2冊だったこと。(ジョイスの願いを汲みとり、印刷業者が無理やり日程を早め、1冊はジョイスに、1冊はシェイクスピア・アンド・カンパニイ書店のために用意したのだそうです。)
その後、違法にも検閲を回避して『ユリシーズ』をアメリカにしのばせ、読者たちへ届ける手はずを整えてくれたのがヘミングウェイだったこと。
世間であまり知られていないエピソードも多々散りばめられています。


ビーチは自らの苦労をあまり多くは語っていません。むしろこう言います。自分の払う努力と犠牲は、作品の偉大さに応じたものであるべきであり、当然なのだ、と。彼女の文章は終始、作家たちに対する深い敬意と、文学に対する一途な愛情にあふれていました。
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# by iftuhsimsim | 2010-04-14 13:47 | 渡り鳥の読書

日曜日の午後

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           1冊の本を読んで、
           その本に何かしら関係した本を次に読んで、
           そうして同じことを繰り返して、

           1年後、手に取っている本は何か。


           ふと心に浮かんだ小さな疑問が気になって、
           今日から読書の記録を綴ってみることにしました。

                            
           すてきな縁を願って、
           はじまります。
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# by iftuhsimsim | 2010-04-11 17:33