カテゴリ:美術館( 23 )

人間という生命

f0236873_105457.jpg京橋駅の近くのアトリエで開催中の知人の個展に行ってきました。

平日なので本人はいないかなと思っていたら、まさかの3年ぶりの再会がはたせて嬉しかったです。

日本画の技法をベースにした現代絵画を描いていますが、前回の展示からたいぶ趣が異なっていて、会うたびにいつも進化している人だなあと、つくづく尊敬してしまいます。

ポストカードには載っていませんが、うなぎの絵があって、個人的にはその絵に一番惹かれました。


これまでは植物と昆虫との間で取り交わされる本能的な営みのなかの「知」を表現するために、彼女はひたすら観察者の立場でしたが、
最近は、人間とは別の生命の営みのなかに自分自身(人間)を組み込もうとしているとのこと。

この蟹の絵にも蛸の絵にも、人間にしかなしえない関わりかたが描かれています。
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by iftuhsimsim | 2012-02-28 19:31 | 美術館

ルーブル DNP ミュージアムラボ

f0236873_1475276.jpg五反田駅の近くにある美術館です。
大日本印刷とルーブル美術館の共同プロジェクトとしてオープンし、
IT技術を駆使した新しい鑑賞方法を紹介しています。

第8回「来世のための供物展 古代エジプト美術から読み解く永遠の生への思い」を見に行きました。

ルーブルからやって来た遺物はごくわずかなのですが、一つ一つの展示物の脇には詳細な説明をしてくれるタッチパネルのマシンがあります。


プレートでの解説は長々書かれていると、読む気が萎えるし、場所をとりますが、デジタルなら画面を切り替えるだけなので、沢山の情報が詰め込め、利用者は興味に応じた解説を選んで読むことができます。


このミュージアムが成功しているのは、何よりも本物が目の前にあること。
それからほどんど待たずに観れること。(完全予約制で人数制限がされています。)

補足してくれるヴァーチャルがあって、「本物」をよりいっそう深く観ることができる、
そんな作用がとても巧く働いていたと思います。

考えてみると、よくあるのは「本物」がないのでヴァーチャルで再現する展示です。
だからどうしてもヴァーチャルにはポジティブなイメージがなかったのですが、
本物と一緒に見せるというはいい方法だなあと感心しました。


じっくりと解説に浸っていると一つの展示物にかなりの時間がかかります。
そのせいもあって、観覧者数がとても少なく設定されており、ガードマンや従業員の人たちの視線に少し物々しさを感じなくもなかったです。

見終わった後の実感として、DNPの最新技術を見に行ったような感じがしました。
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by iftuhsimsim | 2012-02-25 01:39 | 美術館

武者小路

f0236873_1314038.jpg「仲良き事は美しきかな」
つい先日知人からいただいたメールに武者小路実篤のことばがあって、その矢先にこの記念館を知ったので行ってみました。

調布市の閑静な住宅街にあります。

この記念館の一番いいなと思ったのは図書室です。著作はもちろん、彼が所属していた白樺派に関する本や、アートに関する本などが本棚にずらり。初版本も普通ならガラスケースごしに見るところ、何冊かは直に手に取って読めるような配慮がされています。
一日ゆったりと本を読みに来たいような場所でした。


この記念館に隣接した庭(実篤公園)の一角に、武者小路が晩年の20年間を過ごした家があります。
平屋で3部屋しかない、こじんまりとした家です。
開室日は土日祝のみで、時間も限られています。もちろんその日を狙って行ったわけですが、家の番をされているおじさんがいて、おしゃべりしながら、武者小路の話や昔のこの周辺のことについて教えてくださいました。
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by iftuhsimsim | 2011-08-18 11:18 | 美術館

パシャリ

f0236873_015452.jpg東京都写真美術館へいってきました。

企画展『こどもの情景』は期間別に3部作の構成で、私が行ったのは、第2部『こどもを撮る技術』展です。
写真に写る子どもたちのポーズや背景などから、その時代のカメラ技術を解き明かしていくという内容でした。

19世紀に発明された「ダゲレオタイプ」という手法が、世界初の実用カメラにあたり、この時代の写真から展示は始まります。

「ダゲレオタイプ」は露光が数分必要です。だから子どもをいかに動かさないかが課題になります。この時代、小さな子どもが一人で写っている写真はほどんどなく、笑顔もありません。腕をくんだりして体を支えるポーズが多いのもそのためです。

やがて時代とともに露光時間が短くなり、写真は瞬間を切り取るものへと変化していきます。


でも、どれだけ技術が発達し撮影の幅が広がったといっても、やはり良い写真は「こういう写真を撮りたい」と構想があった上で撮られているのだと感じました。
むしろ可能性が広がった現代ほど、撮る前の構想が必要になっているとも思いました。


今回おもしろいと思った写真に、外国人が撮った日本(の子ども)というものがありました。
1枚奇妙だったのは、19世紀に撮られた「日本家屋の室内」というタイトルの写真で、家族団らんの様子が写っています。でもなんだか違和感を覚えるのです。忍者のような格好をした人物が写っていたり、家の中の様子も日本のものを寄せ集めているような。「自然」な場面なのだろうかとクビをひねって見てましたが、「自然」な場面だと言われれば、そうかとも思えるし、、、
いまだに謎な写真です。
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by iftuhsimsim | 2011-08-15 00:10 | 美術館

追涼

f0236873_10165086.jpg葛西臨海水族園。
無料チケットをいただいたので、夏休みのさなか行ってきました。ちびっこたちの数が半端なかったです。

それでも魚が水の中を優雅にスイスイ泳いでいる姿は、見ているだけで心地よいものです。

それに、海の生き物って見慣れぬ姿をしている者たちが多く、興味が絶えません。1本の藁みたいな生物が水中でじっとしていて、そんなのが命をもって名前をもって生きているなんて。







f0236873_11165847.jpg海中の花畑。
鮮やか。
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by iftuhsimsim | 2011-08-14 10:07 | 美術館

生命の樹

f0236873_17345394.jpg東京青山にある「岡本太郎記念館」にやってきました。今年、生誕100年ということで、メディアや各地の催しが盛り上がっていますね。


開催中の企画展・第一弾は『生命の樹』です。

大阪万博の、あの「太陽の塔」の胎内に、じつはこの『生命の樹』という小宇宙がつまっていたこと、知りませんでした。現在「太陽の塔」の内部は撤去されているので、40年ぶりの再現なのだそうです。


まず思ったのは 小さい! ということ。ミニチュア版での再現だったので。
太郎の作品は、おおらかでダイナミックなものが多いので、細々といろいろくっついている作品がおかれていると異質な感じに見えてしまうのですが、近づいてよくよくみると、壮大でした。


f0236873_183247100.jpgこちらは樹の根元にちかいあたり。

ここには古生物がいて、このずっと上の方に恐竜がいて、さらに少し上に人類がいます。

万博では、この20倍の樹があったのだといいます。想像しようとすればできなくもないけれど、体感するのとしないのは全然ちがう。じかに観たかったなあ。


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「芸術はここちよくあってはならない」などと堅く強く言い放っているだけあって、いかにもという作品が多々ありますが、ときおりみかける愛嬌たっぷりな作品もまた、いい。
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by iftuhsimsim | 2011-04-10 20:02 | 美術館

ピクニック日和

f0236873_032421.jpg先週のことですが、千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館へいってきました。

はじめて行ったのですが、展示内容や展示方法がとても充実していて大満喫。
英語の解説がほとんどなかったのはちょっと不思議でした。
フラッシュを使用しなければ写真もOKです。
なごやかな青空休憩所もあって、次回はぜひお弁当持参で1日いたいくらいです。

この日は、たまたま最初に入った「近世」「中世」の展示室を中心に観ました。

最初の展示は「スフィンクスとサムライ」。
サムライたちがフランスへ外交交渉のために赴いた道中、エジプトに立ちよりギザのスフィンクスの前で撮った写真があるのですが、それがパネルで飾られていました。我が家ではこの写真をめぐって今年ちょっとしたエピソードがあったので、おお!と力が入ってしまいました。
サムライの一人の日記が展示してありました。ピラミッドは「三角山」と記され、そこには「仏」がいるそうな・・・。
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今回は行けませんでしたが、次回はぜひ近くの植物苑も。

→ こちらは駅から博物館までの間にあった広場(?)にて。
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by iftuhsimsim | 2011-03-06 22:43 | 美術館

ドイツ絵画

f0236873_9481777.jpg丸の内にある三菱一号館美術館にいってきました。

「青騎士」とは、カンディンスキーとフランツ・マルクが1912年に編集出版した芸術年鑑のタイトルです。
目で見える形にこだわらず精神的なものを重視しよう。
「青騎士」の名のもと、同じ芸術理念に共鳴した芸術家たちが展覧会をもよおし活動しました。大戦に阻まれ3年と短命だったこの活動はしかし、後年に多大な影響を及ぼしました。

今回のこの展示は3部構成です。1901-1907の旅の時代。1908ー1910の青騎士へむかう段階。1911-1913の青騎士時代。

青騎士時代にむかうにつれ、抽象的な要素が増していきます。
私の気に入った絵が多くあったのは「旅の時代」のところでしたが、一貫して好きだなあと思ったのは色彩でした。




ポスターの絵は《印象Ⅲ(コンサート)》と題され、1911年の青騎士時代のものです。真ん中の黒く色塗りされているのはグランドピアノ。楽しげな演奏が聴こえてくるかのように、色がいきいきしていました。
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by iftuhsimsim | 2011-01-17 10:42 | 美術館

作為と無作為

f0236873_142436.jpg東京駒場にある日本民藝館を訪れました。さんざん良い評判をきいていたくせに、よくある民家の博物館をイメージしてしまっていたら大間違いでした。

ちょうどこの日は 河井寛次郎生誕120年の記念展が開催中で、彼の作品が多く並べられていました。
河井寛次郎、棟方志功、バーナード・リーチ、それから朝鮮の作品がいくつもあったことが印象に残っています。

この民藝館に興味をもったのは、むかし志村ふくみさんの随筆を読んだときのこと。そこに柳宗悦が始めた民芸運動のことが記されていました。(民藝館はその運動から生まれたものです。)


志村ふくみさんとは人間国宝の染織家です。まだ若かったころ柳宗悦の唱えた理念に傾倒し、一心に作品をつくりつづけ、職人としてのひとつの最高潮に達したとき、宗悦に言われるのです。「あなたはもう民芸作家ではない。」このとき破門を宣告されたかのように真っ暗になったと書かれていました。

民芸運動を語るとき「民芸」とか「工芸」いう言葉には深い思いがこめられています。
例えばそのひとつ、美を求めれば美を得ず、美を求めざれば、美を得る、とか。


民藝館に並べられた品々はどれも素晴らしいものばかりでしたが、先入観の色眼鏡をはずせないまま作品をうまく見ることが出来なかったような気もしました。

....とはいっても大満足のうちに建物をあとにしました。ときどきふらりと立ち寄りたいような場所です。
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by iftuhsimsim | 2010-10-29 01:44 | 美術館

発明のチカラ

f0236873_8372059.jpg皇居を訪れた日、国立公文書館に立ち寄りました。
近いし行ったことないから覗いてみようという発想で訪れたのですが、思いがけず小さな企画展 『公文書にみる発明のチカラ』 が開催中でした。

ここでいう「発明」とは、社会に大きく影響を与えたもののことで、「発明」に関する書類が展示されていました。明治から昭和にかけてのものが多く、明治がいかに激動の時代だったかよくわかります。

展示の最初の品は、1877年第1回国勧業博覧会の企画書でした。現在の東京国立博物館の敷地で開催され、このとき「美術館」という言葉が生まれたそうです。会場の見取り図(上野公園だとすぐわかります)や、受賞者へのメダルのデザイン画が美しかったです。


f0236873_953489.jpg公文書というと堅いイメージがついてまわりますが、絵も文字も(公文書だけに)丁寧な筆遣い、息遣いが感じられてじっくりと見てしまいました。

パソコンで所蔵検索ができるコーナーがあり、フェノロサを試しに検索してみると5~6点、契約書らしきものがありました。時間がなくて現物を見ることかなわず、残念。
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by iftuhsimsim | 2010-10-19 08:38 | 美術館