カテゴリ:児童書( 4 )

あっちこっちそっち

『角野栄子のちいさなどうわたち 1』
f0236873_233348.jpg 図書館で児童書あさり。
なつかしいなぁと手にしたのは、「小さなおばけ アッチ・コッチ・ソッチ」シリーズでした。
小学校の図書室を思い出します。

この本には、それぞれのおばけのお話、3話が収録されています。おばけといっても、だれも怖がってくれないようなおばけたちです。

アッチは食いしん坊で、コッチはおしゃれで、ソッチは歌うのが大好き。

この本のことはずっと忘れていたのですが、大人になったいま再び読んでみると、ところどころで「こんな表現するなんて」と思わせられるような感動があります。

たとえば、食いしん坊アッチが、おいしそうなスパゲッティを作っている女の子をおどかそうとする場面が好きです。
家の中でらんぼうな音を響かせてやると、女の子は「おうちがあくびしてる」、アッチが階段をみしみし動かすと、「かいだんがしゃっくりしてる」と言い出すのです。おばけかぜをとばすと、「天井のねずみが口笛ふいてる」と笑い出してしまったり。

じつは最近、こんなふうになんでも擬人化してみることに興味があったので特にこのシーンが残りました。きっかけは今回の原発事故でしたが、しだいに自分の身の回りのものにまで発展してしまいました。「物」に命をあたえると、突然今までとは同じに見ることができなくなってしまい、その感覚が単純におもしろい。アミニズムや子どもの目線は、こういう感じなのかなと思うところがあったりもします。

話をもどして、この本には他にも好きなところがたくさんあります。
ソッチの「ぞびぞび~」のしゃべり方は、いまも耳についてはなれません。
佐々木洋子さんの挿絵も見飽きない魅力があります。

著者・角野栄子さんが『魔女の宅急便』の作者だったことは、あとから気づきました。
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by iftuhsimsim | 2011-04-10 20:21 | 児童書

おさるのジョージ

Curious George
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何でも知りたがりなせいで騒ぎが起こり、ジョージの周りはいつもにぎやかです。
そして何をやらかそうが、いつも愛くるしい。

ジョージ・シリーズはたくさん出ていますが、いわゆるオリジナルと呼ばれているのは7冊です。そして栄えある第一作目がこの“Curious George”。

森でジョージをみつけた人間が町につれ帰り、ジョージは町をうろちょろしているうち動物園にたどりつく。最後に、動物園はジョージが暮らすのに最高の場所!といっておしまいです。
最後のページをめくるまでは楽しんでいたのですが、このストーリー展開になんだか違和感を感じてしまうのはわたしだけ?? 動物園は好きだけど、「最高の場所」はやはり森ではなかろうか。

英語では朗読CDが販売されていて、楽しげな雰囲気の録音が気に入っています。
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by iftuhsimsim | 2011-02-19 01:32 | 児童書

魔法も努力

『魔女の宅急便』
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これからちょっと児童書を意識的に読んでいこうと思ったのは、この間の絵本の講演会に行ったとき。子どもたちは未来の希望で、彼らにメッセージをたくす絵本にとても大きな力を感じたからでした。

そういうわけで最初に選んだのがこれです。ジブリの映画はもう何度も観ましたが、本ははじめて。全6巻いっきに読みました。原書もまた魅力たっぷりです。


この物語の好きなところは、13歳になったキキが魔女の掟にしたがって1年間別の町で修行するのですが、とにかく「働いて」生活していかなくちゃという、たくましさに満ちていることです。

何をしなくてはいけなくて、何ができて、何をやりたいのか。
独立するキキの、体当たりな感じは気持ちがいいし、不安な気持ちには共感してしまいます。いくつになっても。

ところで魔女の修行には、「まだ魔女がいて世界には不思議が残っていますよ」と人々に伝える大切な役目があること、本を読んではじめて知りました。
たしかに「不思議」のない世界なんて味気ない。ワクワク楽しいというだけでなくて、むしろ理解を超えたものをどう受けとめていくかというところが大事に思えます。
このお話では、「不思議」なキキがいつしか町の人たちにとって当たり前のようになっていくのがおもしろいです。


最後にネーミング。これがまた魅力的なのです。人や町の名前がちょっと聞きなれない響きなのだけれど、何度もくりかえし出てくるうちに、なんだか忘れられなくなってしまいます。女の子の名前にケケなんて、私には思いつけないです。
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by iftuhsimsim | 2011-01-30 13:50 | 児童書

スウェーデン日和

『やかまし村の子どもたち』
f0236873_22165821.jpg今日はおとといスウェーデンから帰国した友人にたくさんの写真と土産話で楽しませてもらったので、この本が無性に読みたくなりました。
私にとってスウェーデンというと、リンドグレーンとハルストレムが真っ先に思い浮かびます。

アストリッド・リンドグレーンの作品はどれも好きですが、中でも一番好きなのが『やかまし村』シリーズです。
やかまし村には三軒しか家がありません。中屋敷にはラッセとボッセとリーサ、南屋敷にはオッレ、北屋敷にはブリッタとアンナが住んでいて、子どもはたったの6人だけ。魔法も小人も出てこないけれど、ありふれた毎日の暮らしが大冒険できらきらと輝いています。

リンドグレーンの作品が生き生きしているのは、子どもが子どもだから、つまり彼女が子どもの目線を持っているからなのだと思います。
たとえば次のような文章が気に入っています。

リーサがブリッタとアンナを読者に紹介する場面。ブリッタは九つで、アンナは、わたしとおない年です。わたしは、ふたりとも、おなじくらい、だいすきです。アンナのほうが、ほんのちょっとだけ、よけいにすきかもしれません。

また、ラッセとボッセがリーサを怖がらせようと椅子をおばけのように躍らせる場面では、はじめ、わたしはおこってましたが、そのうち、がまんできなくて、わらいだしてしまいました。
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はじめてこの作品を知ったのは小学生のとき、映画を観たのがきっかけでした。そして映画を撮ったのがラッセ・ハルストレムで、彼もまたスウェーデンの人です。「やかまし村」以外にも「サイダーハウス・ルール」「ショコラ」などなど、心にのこる素晴らしい映画を撮っています。


「非日常」も大好きですが、「日常」のなかにドキドキワクワクがあるのも同じくらいすきだ、と「やかまし村」を読んだり観たりするたびに思います。
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by iftuhsimsim | 2010-06-02 22:17 | 児童書