本のあしおと

考えて考えて考える

渡り鳥の読書
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『これからの正義の話をしよう』
前回は偉大な歴史家ミシュレについてでしたが、彼の著作は「これが歴史叙述か」と賛否両論でした。今回は「何が正しいのか」を考える本です。ミシュレの著作をちびちび読んでいたところ、ちょっと横道それてこの本を手にとるやあっという間に読んでしまいました。 昨年、日本でとても話題になった著者です。 ハーバード大学で政治哲学を教える名物教授で、講義がそのままNHKで放送されたのを私も何度か見ました。 本も講義と似た雰囲気です。 1人を殺せば5人が助かる状況があったとしたら、あなたはその1人を殺すべきか? こういう問題を「たとえば電車に乗っていたとして・・・」とごくごく日常の中の状況にたとえて考えさせていきます。自分だったらどうするか、とりあえず考えたとします。 ところが状況設定が少しずつ変わっていくと、さっきは「1人を犠牲にする」側だったのに、今度は「5人を犠牲にする」側になってしまう。 この本は意見や立場を分析し、根拠をさぐります。 そして人が考える「正義」が、いかに主観的かということを教えてくれます。 究極の選択の答えは、その人の生き方の指針にも、また追いつめられたときにでてくる本性にもなりうるから、自分だったらどうするか、なぜそうするか、何が大切か、時々じっくり考えてみたりしないといけないな、と思ってしまいました。
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